[症状]
先ほど述べたように、卵巣がんは「沈黙の腫瘍」です。初期には症状がほとんどありません。発見された時にはすでに手遅れであることも稀ではなく、卵巣がんのことを「サイレントキラー」と呼ぶお医者さんもいらっしゃいます。
卵巣がんには、「転移しやすいもの」と「転移しにくいもの」があります。
転移しやすい卵巣がんの場合、癌が卵巣内であまり育たないうちに転移してしまい、腹水が溜って腹部全体が膨らんだり、肺に水がたまって息切れするなど、転移による症状で気づくことが少なくありません。 一方、転移しにくい卵巣がんは、癌ができてから長期間卵巣内にとどまってゆっくり成長するため、癌があまり大きくないうちは検診などで婦人科の診察を受けた時に偶然発見されることがしばしばです。
癌が大きくなると下腹部にコリコリとしたしこりを触れる、お腹が張る、あるいは膀胱が押されてオシッコが近くなる、などの症状で病院を受診することが多いようです。血液検査をすると、腫瘍マーカーであるCA125の数値が高くなります。
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[原因]
明確な原因は特定されていませんが、近年卵巣がんが増加している原因に食生活の欧米化、女性のライフスタイルの変化などが関与しているのではないか、と言われています。また、祖母や母親や姉妹の中に卵巣がんになったことがある人がいると、体質的に卵巣がんになる確率も高いというのも事実です。さらに、不妊治療などで長期にわたって排卵を誘発し続けた女性も、卵巣への刺激が続いたため卵巣がんにかかりやすい、という研究結果があります。
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[治療]
卵巣がんの進み具合によって、治療方針が変わってきます。外科療法(切り取る)、化学療法(抗癌剤を使う)、放射線療法(X線を当てる)の三つの治療法があり、これらを単独あるいはいくつか組み合わせて治療していきます。
a)外科療法
できる限り癌を取り除く治療です。外科療法でお腹を開けてみて初めて、その卵巣がんの進行具合が確定されます。卵巣と卵管、子宮、リンパ節(骨盤の中,腎臓の高さまでの動脈のまわりのリンパ節)、大網(胃から垂れ下がるリンパ節群と血管の塊)の摘出が外科療法の基本です。 これに加え、腹腔内の細胞診(癌細胞がお腹の中にこぼれていないかどうか)を行い、癌が腸にまで転移している場合は腸管の切除も行うこともあります。
b)化学療法
化学療法とは抗癌剤を使って治療することです。卵巣がんは抗癌剤が効きやすい癌のひとつです。手術後の治癒率を高めるために化学療法を外科療法と併用したり、再発した卵巣がんに対して実施されます。標準的には週一回投与を六回続けて、一回の化学療法としています。
c)放射線療法
強いX線を癌のできた部位に照射する治療です。体の外からあてる外照射(WP照射)と、X線を出す物質(線源)の入ったプラスチック製のシリンダーを腟にあてて直接注入し腹膜の表面にあてる方法(腔内照射)があります。化学療法と放射線療法を組み合わせることで、さらに癌細胞にダメージを与えることができます。
[受診科]
産婦人科、婦人科、女性外来